早川眼科

茅ケ崎の眼科医院 
緑内障・加齢黄斑変性・眼精疲労・コンタクトレンズ外来

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抗VEGF抗体硝子体内注射治療について

抗VEGF抗体硝子体内注射治療は、

  1. 滲出型加齢黄斑変性
  2. 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
  3. 糖尿病黄斑浮腫
  4. 病的近視に伴う脈絡膜新生血管
の4つの疾患に保険適応となっています。
いずれの疾患も網膜の中心部分であり、視力にとって最も大事な黄斑が障害される疾患です。
当院ではいずれの疾患に対しても治療を行っております。

1.滲出型加齢黄斑変性とは?

黄斑の下に異常な血管ができ、その異常血管からの出血や、漏出した水分により網膜剥離や網膜浮腫を引き起こし、網膜の視細胞が傷害されます。
症状としては、ものが歪んで見える歪視、真ん中が暗く見える中心暗点を引き起こします。進行性の疾患で視力低下が進み、無治療の場合は視力が0.1以下になることがあります。

2.網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫とは?

網膜静脈閉塞症とは網膜の血管のうち静脈がつまってしまうことにより起こる疾患です。中心静脈閉塞症と静脈分枝閉塞症の2つのタイプがあります。いずれも静脈が閉塞することにより眼底出血を起こします。それだけでなく閉塞した静脈から水分が漏出し、黄斑部の網膜に水がたまってしまう、黄斑浮腫を伴う場合があります。
黄斑浮腫の症状としては、ものが歪んで見える歪視、真ん中が暗く見える中心暗点を引き起こし、視力の障害を伴います。

3.糖尿病黄斑浮腫

糖尿病の3大合併症の一つである糖尿病網膜症が進行すると、網膜に多数の異常な血管ができます。そういった異常な血管から漏出した水分などが黄斑部にたまることにより黄斑浮腫が起こります。
ものが歪んで見えたり、真ん中が暗く見える中心暗点、かすんで見えるなどの症状を引き起こし、視力障害を伴います。

4.病的近視に伴う脈絡膜新生血管とは?

強度近視の中でも特に近視が強く、眼軸という眼の奥行が特に長くなっていることを病的近視といいます。そのような眼は網膜や脈絡膜が後方に引っ張られていることにより、黄斑に出血を起こしたり、異常血管(新生血管)が発生して出血を起こすことがあります。
症状としては、ものが歪んで見える歪視、真ん中が暗く見える中心暗点を引き起こします。

いずれの疾患も放っておくと、病気の進行とともに、網膜の視細胞が傷んでしまい視力が下がってしまいます。網膜の視細胞の障害は不可逆的な視力障害を引き起こすため、早期発見早期治療が必要と言えます。

抗VEGF抗体硝子体内注射の効果

上記4つの疾患はいずれもVEGFという因子が関与しています。抗VEGF抗体はVEGFのはたらきを抑える作用を持ちます。その作用により病気の状態を沈静化させることができると言えます。
しかし出血や網膜剥離や浮腫などによって障害を受けてしまった網膜の視細胞自体は再生しないため、治療が上手くいったとしても視力が元通りになるわけでなく、そのあたりが今後の課題と言えます。
とはいえ上記4つの疾患は放置しておくと進行性の視力障害につながることがほとんどであり、病気の状態を沈静化させることは非常に有効な手段であると言えると思われます。

抗VEGF抗体硝子体内注射の治療法

抗VEGF薬を白目のところから細い注射針で眼球内に注射します。
日帰りの治療になり、注射当日は眼帯をし、目に水が入らないように入浴は控えていただく必要がありますが、翌日以降は日常生活を送っていただくことができます。
注射の前後3日間は予防のため抗菌薬の目薬を点眼していただきます。
この治療は1回注射をしたら治療終了というものではなく、月1回の注射を症状が安定するまで継続し、病気の状態によって注射を追加します。
たとえば滲出型加齢黄斑変性では個人差がありますが、平均すると年5回程度注射が必要になります。

注射治療の副作用、合併症、注意事項

日本を含む世界各国で実施された臨床試験で多く報告された副作用は結膜下出血、眼圧上昇、眼痛などでした。いずれも視機能に大きな影響をもたらすものではなく一時的な変化と言えます。
視力障害を伴う大きな合併症としては注射するときに細菌などが眼の中に入ってしまい強い炎症を引き起こす眼内炎や網膜剥離、眼内の大出血などがあります。ただいずれも可能性はゼロではないとはいえ非常に起こる可能性は低いものになります。
注意事項としては臨床試験で、脳卒中の発生が報告されており、以前に脳卒中や一過性脳虚血発作などを起こしたことのある方は、担当医におしらせください。
以上のような副作用、合併症、注意事項などがあげられておりますが、基本的には多くの患者さんに安全に受けていただける治療と考えております。

目に注射って怖いんだけど、あと痛くないの?

多くの患者さんが心配されることは、目に注射をするということで「怖い」「痛いんじゃないか」ということだと思います。
注射の際、針は見えないように注射をしますし、麻酔の目薬をしっかりやってから注射をしますので、基本的には大きな痛みはありません。
はじめて注射を受けられた方が、思ったより痛くなかったと言っていただける方がほとんどなので、ご安心いただければと思います。

高額療養費制度について

抗VEGF抗体硝子体内注射治療は使用する薬剤(当院ではアイリーア®)が高額なため、高額療養費制度を活用できる可能性があります。
高額療養費制度とは治療費が高額になった場合、一定の自己負担限度額を超えた費用が払い戻される制度です。年齢や所得に応じて、ご本人が支払う医療費の上限が定められています。所得・年齢ごとの自己負担限度額及び申請方法など詳細については、厚生労働省のホームページ「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をご覧ください。

●厚生労働省のホームページ「高額療養費制度を利用される皆さまへ」詳しくはこちら

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